マドロミ夜行バス。

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ショパンと三日月。

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2020年11月末。

ラフマニノフの ピアコン3番をホール客席 三階 下手側から見下ろしたのが、遥か遠い昔に感じる。

ホールで体感するピアコンは壮大で、空間隅々まで 大きく五感を感じられるから 堪らなく好きだ。

今回は打って変わってサロン。この距離感、間近に感じられる 空間間取り。

 

先生の 生ピアノとの再会は、こうして始まった。

 

会場に貼られた奏者直筆(ショパンシリーズ楽日)本日の演目考察。

全てを読み解いて 一つ一つ 質問したくなる。

前回のベートーヴェンシリーズを 聴き逃したので、アンコール集CDが 嬉しい。

ショパンの没後100年を経て見つかった作品たち。

 

ショパンはどんな人だったんだろうか?

 

目の前で 紡がれる音たちは、心の奥の奥の奥の根源から、身体全体から指先の先の先の向こうの空まで、回路を通して、放たれる。


静けさと激しさのコントラストは、θとγを 行き来して 明晰夢のような、不思議な感覚に入っていく。

この時間が永遠に続いてほしい。立て続けに 繰り広げられる曲。

ショパンの思いと、それを通訳=チャネリングするかの様な先生の音と、それをここで聴き入る会場の中の私と。3点が繋がる。

時空を 超えて点で 繋がる。

 

聴いているうちに 現実から 少し離れて高い所 遠い所 から ココを見つめている気持ちになる。

目の前の 激しく動き続ける躍動現実と遠くの空から引きで眺める尊い空間。

この“3点繋がり”の 意識が、たまらなく 居心地が好く、まるで温泉に浸かっているよう。このままコマが永遠に周り続けて欲しい。


美術館で絵に見入って、そのままその絵の景色の中に自分も入り込んでいく あの感覚。

音の世界、曲の世界に入り込み、時に離れて眺める。

驚きと静寂を、γとθを、行き来したまま演奏会は終わった。

アンコール!!!

これは 会場にいる人だけの秘密の特権。笑。時間芸術 聴覚芸術 ありがとう。


いつもながら きめ細やかな お心遣いの先生、感動のあまり すぐに言葉には 出てこない。

ゆえに こうして 振り返る。言葉を綴る。放つ。置いてみる。


どこかの誰かが、これを読んで、何かを感じてくれたら。


三日月と共に。

多大なる 尊敬と感謝を込めて。祈。

2022.9.1.〜*。山の子供elica。*〜